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カテゴリ:美術館( 17 )

東郷青児展@損保ジャパン日本興亜美術館

東郷氏と言えば、お菓子屋さんの包み紙の人、もしくは宇野千代の元カレ…程度の知識しかなく伺いました。
ものすごい才能の持ち主だったんだ~!と、とにかく驚きますね。大正時代に日本人初のキュビズムを発表していたとか、パリ留学中にピカソと友人だったとか、とにかく早熟の天才にして、晩年まで天才であり続けた日本洋画界の重鎮ですよね。本の装丁やデパート壁画まで幅広い活動をなさっていたことも初めて知りました。
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印象に残ったのは昭和19年に描かれた「星座の女」。もう日本の戦局厳しい時期ですよ、そんなこと微塵も感じさせない伸びやかな自由さがその一枚にはありました。芸術家の特権は目の前にどんな悲惨なつらい現実があったとしても、自分の才能の中、それは誰にも邪魔されず奪われない場所を持てること。その本当にうらやましい特権をこの絵に感じました。
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by Happypeas3 | 2017-11-04 21:22 | 美術館

吉田博展@東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館

ダイアナも愛した日本画家、ということで有名な「吉田博」。欧米での知名度とは程遠く、日本ではあまり名前が知られていないのは何とももったい稀代の画家です。
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明治から昭和にかけて、こんなにコスモポリタンな感覚を持ちつつ、幅広い画風に挑戦し続けた人がいたんだ、と本当に本当に感銘を受けました。
後年挑んだ版画は「新版画」とも呼ばれて浮世絵とはまた違った色合いとグラデーションを実現しています。これ、絵じゃないのは驚きじゃありませんか?
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私的に一番好きな神楽坂通り 雨後の夜
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夏目漱石も吉田博の絵を目にして、三四郎に登場させています。美禰子と感想を言い合う場面の絵がこの油絵だと言われています。
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とにかく、最初から最後まで質といい量といい大満足の展覧会で大オススメです!こちらの美術館はゴッホのひまわりが日本で唯一鑑賞できることでも有名ですし、地上42階という立地もめずらしく、少しレトロな雰囲気もあり、都内でも3本の指に入るであろう素晴らしい美術館でした。

by Happypeas3 | 2017-08-12 08:14 | 美術館

ベルギー奇想の系譜@文化村ミュージアム

そんなに興味もなく、ただただ暑くない場所を求めてプラッと立ち寄ったのですが、意外と面白く、奥深く、行って良かったです。
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バベルの塔で有名なブリューゲルの「7つの大罪」を動画で見せてくれたりするコーナーもあり、(もちろん原画も見ることができます)「今ならではの絵の見方よね」なんて感心したり。
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とにかく不思議世界のオンパレードなので、いつも使わない部分の脳が刺激される展示会でした。
大好きなルネ・マグリットのコーナーになってちょっとホッとしたくらい(笑)
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ホッとしたのもつかの間、またこんなん出てきます(笑)
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by Happypeas3 | 2017-07-30 08:19 | 美術館

横浜デパート美術館をはしご

「花のラファエロ」「バラのレンブラント」とも呼ばれたルドゥーテのバラの絵は目にしたことがあったものの(バッグ、タオル、マグカップなど、優雅系マダムに人気のグッズが多いですもんね)実物画を見るのは初めてだったので楽しんできました。
初夏のバラの季節にぴったりで、香り立つような緻密さと柔らかな色彩に瞠目するばかり・・・
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優雅な気持ちになった後は、思いっきり「和」テイストで・・・実はこちらが本命でした。一度畠中画伯の絵を見てみたかったのです。ビビットな色彩とインドの風を感じることのできる日本画はとても印象的。畠中画伯に法相柱の絵を依頼した住職さんのお目の高さ!今の時代ともマッチし、仏典にも通じていらっしゃる適任者は他にはいらっしゃいませんもんね。ご自身も熱心な仏教徒であり、インド美術史をご研究されている知識の深みが作品を通じて伝わってくるものが多かったです。
新しくなる興福寺、機会があれば是非足を運びたいと思いました。阿修羅像も大好きですし!
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by Happypeas3 | 2017-05-27 08:16 | 美術館

デンマークデザイン展@横須賀美術館

初めて行きました、横須賀美術館。海のそばの丘に建つスタイリッシュなデザインの白い大きな箱。
こーんなにお洒落で、自然採光の柔らかさと景色の美しさを生かした美術館もめずらしいです。
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ここは谷口六郎さんの作品所蔵で有名ですが、今やっている展示会もまずまず。日本でもおなじみのロングセラーのデザインが多いので目新しさはなかったけれど、北欧デザインのシンプルで機能的な流れを一通り見ることができるのは良かったです。最後のブースで椅子の試し座りができるのですが、どの椅子も座り心地抜群で「家に欲しい!」と思うものばかり。
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実は、ここを訪れたメインの目的は併設レストランのアクアマーレ。最高の景色を眺めつつ、レベルの高いイタリアンを堪能できるので有名です。週末はもちろん激混みらしいのですが、平日も満席でした。この季節はテラス席が最高に気持ちいい~(@^^)/~~~足元に小鳥もチラチラして、海風を感じることができました。お料理は評判通りパスタもピッツァもレベル高い!フリットもデザートもとっても美味しかったですし、サービスも抜群でした。
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by Happypeas3 | 2017-05-19 07:17 | 美術館

暁斎展@bunkamuraミュージアム

世界屈指の暁斎コレクター、ゴールドマン氏所蔵の作品。本当に美しく保存管理された多岐にわたる作品群を見るにつけ「こうして日本での評価が低かったものを海外の人が掘り出し、長く守ってくれていることは本当に本当にありがたいことだなぁ~」とつくづく感じるのです。(若冲のジョー・プライスさんもその最たるお一人ですもんね)
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発想のおかしさ、今にも通じるユーモアセンス、抜群の色使いと構図の素晴らしさ・・・明治という時代の自由、新しいものを楽しむ雰囲気が伝わる絵が多かったです。逆にそれが日本では軽く見られてしまったのか、海外での評価とは裏腹だったようですね。
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明治期の日本画が最近気になってきました。ちょっと色々画集を見てみようかな、と思えた展示会でした。
by Happypeas3 | 2017-04-10 15:02 | 美術館

京都での若冲~相国寺承天閣美術館~

行って参りました。念願の場所へ。
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とにかく素晴らしいの一言。お寺併設らしく入口で履物を脱いで入館です。本当に綺麗で、静かで、日本画を見るのにこれ以上の美術館ってないんじゃないかと思います。お庭も美しく、何時間でも過ごせそう…
若冲の生まれ育った京都、そしてゆかりの寺で見る襖絵は格別でした。朝一で伺ったので、一切音がない、という贅沢の中での鑑賞を満喫。
ふむ、至福の時間。
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余韻冷めやらぬ中、門前脇にあるヤオイソパーラーでロイヤルフルーツサンドを堪能。あまりの具の大きさに驚く!めっちゃ美味しい~、とつい心の中で関西弁(笑) 色々最高でした。
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by Happypeas3 | 2017-02-28 10:00 | 美術館

秋の六本木② 鈴木其一展

琳派の中でもとりわけ好きな絵師、鈴木其一。今回は「朝顔図屏風」が観られるということでワクワクしていました。
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其一の大好きなところはデザイン性が素晴らしいところ。構図、表装具に至るまでとにかくお洒落。センスが抜群に良くて、遊び心があって、色遣いが素晴らしい。
本当に絵を描くことが好きだったんだな~と、どの作品を観てもそのことが臨場感をもって伝わってくるのです。
「群鶴図屏風」
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展示会最後のこのゾーンが至福の時。
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「朝顔図屏風」は、もちろん圧巻の素晴らしさで飽きることがなかったのですが、展示会初?のこちら「富士千鳥筑波白鷺図屏風」がまた素晴らしかった。(10/3まで)
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右は金地、左は銀地という心憎い一双。個人蔵だそうで「なんと贅沢な!」と思わず。
特に右隻のこの富士の雪の切り取り方。富士を渦巻く千鳥の躍動感と数の凄さ!
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「日本人で良かった~」としみじみ思いがこみ上げる展示会です。時代は違えど、同じ四季を感じ、花を愛で、虫の音を聞き、富士山を美しいと思う心が今にも続いているという感じがするからでしょうかね・・・
by Happypeas3 | 2016-09-24 07:15 | 美術館

秋の六本木① ダリ展

20世紀最大の奇才と言われるダリの大展示会。すっごく楽しみにしてました!
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大雨にもかかわらず、結構な混み具合。ほんとに大人気ですよね~!だってやっぱりダリの作品って面白いし、刺激的。見たことも、思いついたこともないものを見せてくれる大芸術家。どんな平凡な物質も、ただそこにあるだけの物体も、ダリという濾過を通れば・・・「!!!」
まず、楽しいのが作品名です。
「皿のない二つの目玉焼きを背に乗せ、ポルトガルパンのかけらを犯そうとしている平凡なフランスパン」
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「素早く動いている静物」
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ジュエリーデザイナとしても斬新な作品多いです!(今回の展示会では別のジュエリーが展示されてます)
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ラファエロの聖母子像も、ダリにかかるとこうなっちゃいます!
「ラファエロの聖母の最高速度」
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愛妻ガラを聖母にみたてた「ポルト・リガトの聖母」
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ものすごく心に刺さったのが、広島・長崎の原爆投下を知り衝撃を受けて描いたというこの作品。「ウラニウムと原子による憂鬱な牧歌」
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とにかくどの作品も楽しさ、驚き、感嘆、衝撃に満ちていて、夜になっても脳の興奮が収まりませんでした。
by Happypeas3 | 2016-09-23 07:45 | 美術館

メアリーカサット展@横浜美術館

特に興味もなかったのですが、江國香織さんがお好きな画家だということと、日曜美術館に取り上げられていたこともあってプラッと行って来ました。
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どの絵もふんわりとした印象派の影響を受けた色遣いと、温かみのある作品ばかり。こういうのが好きな人にはたまらない画風だと思います。カサットが生きた時代は女性が絵描きになるなんて相手にもされなかった時代・・・同時代のマリーブラックモンの「お茶の時間」が私は一番気に入ったのですが、彼女も周囲の「やめろ」という圧力から精神を病み、筆を折ってしまたそうです。
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それは日本でも同じで、多分同じ時代の上村松園や小倉遊亀も相当つらい環境の中で描き続けていたみたいですもんね。(このあたりは宮尾登美子先生の「序の舞」などにくわしく書かれています)このお二人の絵も常設展で観ることができます。
カサットは歌麿にも強く影響されたそうで、日常の切り取り方などは随分参考にしていたみたいです。確かにこういう↓画風は浮世絵を意識したことがうかがえます。
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彼女はとても挑戦的で、油絵はもちろん、版画や陶芸など色々な手法で「描きたいもの」「納得できるもの」へのアプローチを試みたことがよく伝わってきました。
常設展の方では鏑木清方や片岡球子の秀作も鑑賞することができ、なかなかよい展示会でした。
by Happypeas3 | 2016-09-03 08:42 | 美術館